デキるMRに共通する3つの特徴とは?現役MRの仕事論 Vol.2

こんにちは!コントラクトMR兼ライターのKEIです。第1回では、「MRに文系・理系は関係ない」ということをお伝えしました。MRの主な仕事は、自社医薬品の情報提供、そして情報収集であることをご理解いただけましたでしょうか。

MRの営業先である医療従事者たちは、基本的にいつでも大忙しです。彼らは貴重な時間を割いてMRの話に耳を傾けているわけですから、当然ながらその時間は有益なものでなければなりません。すなわちMRの仕事には、医療従事者に対していかに効率良く情報提供できるかが問われるのです。

この情報提供の場は時代とともに変化しました。MRが「プロパーさん」と呼ばれていた十数年前は、ゴルフ、食事、海外の学会への同行などが可能であったため、医療機関での面会以外で時間を確保でき、多くの情報提供を行うことができました。

しかし、現在では華美な場面での情報提供は禁止されており、以前のように医療従事者と話せる時間は少なくなりました。そのため、今を生きるMRには「限られた時間内でいかに有益な情報を提供できるか」という能力が問われるようになったのです。その能力とは、知識の豊富さだけではありません。「仕事の時間を割いてでも話を聞きたいな」「この人が案内してくれるものなら使ってもいいな」と医療従事者が思えるような、信頼されるMRが求められているのです。

では、今の時代において信頼されるMRになるには、どのようなスキル、働き方、マインドが必要なのでしょうか?

第2回では、今の時代に活躍するMRに必要な要素を3つご紹介します。

 

今の時代に活躍するMRに必要な3つの要素

医療現場で活躍するMRの仕事論 Vol.2-01

【1】普段から「Two Way」の会話を意識している

第1回でも述べたように、MRには「Two Way」の会話が求められます。そして、営業先から信頼され、良い成績を残すMRはみな普段から「Two Way」の会話を心がけています。

例えば、医療機関での面会待ちのシーンにて。ここでは、さまざまなメーカーのMRと話す機会があります。このとき、信頼されるMRは率先して他社のMRとコミュニケーションを図っていました。もちろんそれは一方的な会話ではなく、相手が自然に自分のことを喋りたくなるような会話をしていたのです。

相手の情報を上手く引き出すことは、MRの仕事においてとても重要なスキルです。趣味に関する会話で盛り上がれば、他社MRとの距離もグッと縮まることでしょう。これにより、さまざまな情報共有が可能となります。

このような会話ができるMRは、やはり得意先からの評価も高く、良い成績を残す傾向にあります。何年もMRをしていると、少し話しただけで「この人はデキる!!」と直感できるケースも多々あります。

【2】オンオフの切り替えが上手

2つ目の要素は、仕事とプライベートの切り替え、すなわちオンとオフの切り替えが上手なことです。MRの仕事はみなし時間¹での勤務になることが多いので、勤務中の時間の使い方は個々の自由です。お昼の休憩をとる時間も違えば、帰社、帰宅する時間もMRごとに異なります。

¹時間外労働算定のための時間外計算をおこなわず、労働時間を一定時間労働したものとみなす制度のことを、「みなし労働時間制」と呼ぶ。

良い成績を残すMRは、集中するときは目的を明確にして仕事に取り組み、休むときはしっかりと休みます。ダラダラと仕事はしないのです。例えば、目的もなく長時間にわたって医療機関を訪問し、遅くまで内勤をしたとしましょう。これでは効率も悪く、仕事内容も良いものにはなりません。

明確な目的を持ちながらスケジュールを組み立て、今日1日で実施することを事前に整理し、時間を有効に使えているMRは、プライベートの時間もしっかりと確保できています。オンとオフを上手に切り替え、仕事にメリハリをつけることは、「限られた時間をいかに効率的に使うか」を普段から意識して動いているということでもあり、重要であると言えるでしょう。

【3】仕事に対して高いモチベーションを持っている

3つ目の要素は、仕事に対するモチベーションの維持です。常に高いモチベーションを維持できているMRは、成績が良いと感じます。

私の先輩の1人に、若くして管理職になり、活躍している方がいました。その先輩に対して、「どうやったら仕事ができるようになりますか?」と聞いたことがあります。その先輩は「自分のモチベーションをあげる目標を設定する」というテクニックを私に教えてくれました。

モチベーション維持のための目標としては、以下のようなものがあげられます。

  • 会社でNo.1のMRになる!!
  • エリアで糖尿病領域の薬でシェアNo.1になる!!
  • 35歳で年収1000万!!

このような大きなビジョンを抱き、それを言葉にしながら仕事をしている人ほど、優秀な仕事をしているように思えます。

同様に、エリアで成績の良いMRに対して「なぜ成績がいいのか?」と質問したこともありました。やはり先述した先輩と同じく、仕事のモチベーションをあげるための目標を持っていることを知りました。

どのような仕事にも当てはまりますが、モチベーションを高く維持することは意外と難しいものです。それでも、自ら目標設定をし、それに向かって努力できる人こそが、信頼され、良い成績を残し続けるMRへと成長できるのでしょう。

 

MR全員が最初からスキルを持っているわけではない

医療現場で活躍するMRの仕事論 Vol.2-02

今の時代に活躍するMRに必要な3つの要素についてお話ししましたが、みな最初からそのような要素を持ち合わせていたわけではありません。研修や先輩からの指導、現場での実務経験を活かし、多くのことを吸収しながら成長していったからこそ今があるのです。以下では、筆者自身や著者の同僚が働きながらスキルを身につけていった実例をご紹介します。

人前で話すことが苦手だった同僚の劇的な変化

私が最初に入社した会社には約80人の同期がおり、彼らの性格は実にさまざまでした。MRは営業職ですので、よく喋る明るい性格の人ばかり……と思いきや、実はそうではなかったのです。

最初の研修で同じグループになったT君は、同期のなかでもおとなしめな性格の持ち主で、率先して会話に参加するようなタイプではありませんでした。いつも聞き役にまわっており、発表の場では緊張して声がでないこともしばしば。彼はMRに向いているのだろうか――。生意気にも私は、T君に対してこのような思いを抱いていたように思えます。

しかし、3年目研修で久しぶりに同期と会ったとき、私はT君の変化に心底驚きました。入社したての頃は誰よりも発言が少なかったT君が、その場では誰よりも率先して口を開いており、そして周囲の誰よりも笑いをとっていたのです。また、話し方だけではなく、雰囲気や顔つきも劇的に変化していました。

MRは医療従事者と会話をすることが仕事であるため、緊張や照れなどを克服しなければ仕事は円滑に進められません。T君は先輩上司からの指摘、プレゼンテーションの練習や現場での実務によって得られた経験をもとに、会話のコツを見出したのでしょう。そこには、T君なりの努力があったと思います。

このように、MRの仕事にはコミュニケーションスキルを磨くチャンスが多くあるのです。「自分は人見知りだからMRに向いていない」とは考えず、積極的にチャレンジしてみてほしいと思います。

オンオフの切り替えが上手な先輩から学んだこと

新人の頃の私は、仕事とプライベートの切り替えが苦手でした。休日まで仕事を引きずり、家にこもりがちになり、いつも日曜日が憂鬱でたまりませんでした。やはり、そんな気持ちで月曜日を迎えても仕事の結果はついてこず、それにより気持ちも落ち込みがちになり……まさに悪循環でした。

そんなときに、エリアのなかで一番営業成績が良かった入社7年目の先輩が教えてくれたことがありました。それは「オンオフの切り替え方法」です。先輩は、「MRの仕事は緊張やプレッシャーなどが続く仕事であるからこそ、休みの日はしっかりと張り詰めた気を緩めて休まなければ良い仕事はできない。そのためにも、オンオフをしっかりと切り替えることが大切だ」と教えてくれました。

それ以来、夜や土日まで仕事をするのはやめ、オフの日はしっかりと遊んで気持ちをリフレッシュするように変わりました。その結果、仕事に対する集中力も増し、自然と毎日が楽しくなったのです。先輩のこの助言があったからこそ、私が今現在MRを続けられていると言っても過言ではありません。

成功体験によって変化した仕事に対するモチベーション

MRの仕事は、すぐに成果が出るものではありません。他業種の営業であれば1日に何本も契約をとるケースもありますが、医薬品の営業の場合は何日もかけて医療従事者を訪問し、新規採用、そして処方獲得に繋げるのです。場合によっては、1件の新規採用に至るまで1年以上かかることさえあります。このようにMRにおいては、仕事に対する努力の成果がすぐには実感できないのです。

MRをはじめたばかりの頃、私はとある大きな病院を担当していました。前任者の不手際により、その病院は私の会社に対して悪いイメージを持っていたため、新人の私は「どのように実績を伸ばせばいいのか」と悩んでいたのを覚えています。

それでも、ドクターや薬剤師、看護師と積極的に面会し、情報提供、説明会、院内勉強会の手伝いなどといった活動を2年間続けることで、ようやく医薬品を新規採用することができました。私にとってこの経験は、初めて「MRという職を選んで良かった」と心から思えた瞬間でした。また、この成功をきっかけに仕事に対するモチベーションが高まり、MRという仕事にやりがいを感じるきっかけにもなったと思います。

MRになったばかりの頃は仕事に慣れず、大変と感じることも多くありました。それでも、ひとつの成功体験を通して、私も高いモチベーションを保ちながら仕事に取り組めるようになったのです。

 

おわりに

現在良い成績を上げているMRも、それぞれが失敗や成功を繰り返しながらここまで成長してきたのです。言い換えれば、誰もが努力次第で、「活躍するMR」になれるということでもあります。

はじめのうちは大変なこともたくさんありますが、続けていくうちにやりがいを感じられるようになる点は、MRという仕事の魅力でもあります。現場で多くのことを経験し、仕事の楽しさややりがいを見つけられれば、皆さんも、これからの時代において活躍し続けるMRになれるはずです。

 

MRの仕事に文系・理系は関係ない?現役MRの仕事論 Vol.1

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